シブヤシゲヨシさんについて(5)(6)

●シブヤシゲヨシさんについて(5)
2010/01/30 土曜日 – 17:14:42 by tshibuya

先日、新幹線の中で読もうとキオスクで東海林さだおの文庫本を買った。東京を中心に展開するチェーン店富士そば全メニュー制覇という内容の本だ。その終わりの方に、言葉の研究をしている人(女性)との対談がある。例えば、ある言葉(例えば商品名)から受ける感情というのはあって、というような内容だったか。しかし、シゲヨシさんの研究はそこをもうひとつ突き抜けている。五十音の一つひとつに感情があるというのだ。しかし、その辺りから話しはむずかしくなって、誰もが感じる領域から別のところに行くから、みんな(ぼくでもいい)呆気にとられる。
「五十音感情の正体」の最初の方に、
五十音のこゑの感情が、躰の構造のさけびごゑとしてでてきたんで、ここから世界中のコトバの感情がネ、おびただしく分解できなければウソとなッたのだヨ。とある。そこからその感情を記号化する作業があり、それを説明しながら話しは生命のことにまで及ぶ。いや、それを話さないと「五十音感情の正体」に行き着かないのだからシゲヨシさんにとって当然のことなんだろう。う~ん、むずかしい。
シゲヨシさんは言葉の研究の次に庭から出てきた石に関する考察をはじめる。象の国におりると日本象国物語の二冊がその成果だけれど、ぼくには言葉の研究も石の考察も同じように思えてならない。

2 Responses
asianimprov : 2010/02/08 – 11:43:28 –
「五十音感情」があるなら「十二音階感情」だってあるかもしれない・・とか、シブヤシゲヨシさん関係の一連の記事を読んで不思議な感じを受けています。
十二音階は西洋のクラシック音楽で、日本や東南アジアは五音階だから、感情のベースが違うのか・・とか、悩ましい問題です。別に悩むことはないけど。(笑)

言霊があるのなら音霊があってもいいじゃないかとも思うし・・ドにはド特有の感情があり、ファにはファ独特の叫びがあり、ラには解決不能の悩みがある・・とか、そんなこと考えてたらピアノ弾けませんか・・?
しかし、人面石ですか、石器。うーん。本当だとしたら凄い。本当でなくても、面白いです。

tshibuya : 2010/02/08 – 12:18:19 –
例えば、ハ長調、ヘ長調、ト長調、など調性にはそれぞれの感じがあります。音、一つひとつにもおそらくあるんでしょう。そういう感じを利用して(もっといい言葉がないか)調性音楽は成り立っている、というところもあります。
そう、asianさんがいうように、本当でなくても面白いというところが面白いんですよね!

—-2010/02

●シブヤシゲヨシさんについて(6)
2010/02/01 月曜日 – 12:28:05 by tshibuya

伊達で知り合った木彫りの荒井修さん(洞爺湖町に住んでいる)に「シゲヨシさんのことを書いてる」とメールしたら返事がきた。荒井さんとは大木さん、柴山さんなどとシゲヨシさんのところへいっしょに行った仲だ。以下にそのメールを紹介します(もちろん承諾は得てあります)。

「メールありがとうございます。パソコンからの返信です。 渋谷さんのブログからシブヤさんの息子さんのホームページに飛んで、昔を思い出しながら新たな発見をした次第です。
今思うと当時の俺はなんと固定観念で凝り固まった自意識の強いガキだったのかとおもい、今だったらシブヤさんと楽しい酒を飲みつつ、人間の根源に触れる話をできたのではと残念に思います。
俺が思っていた以上にシブヤさんは冷静に理論的に考古学を見た上で発掘し、客観的に自己分析をし、また、来客をも熱い口調とは裏腹に静かに人を見つめていたということに驚かされました。
また、当時は気が付かなかったのですが文章が実に良い。奥さんのことを書いたくだりはなんか泣かせるね。
俺もシブヤさんの歳に近づいて、あれだけのエネルギーがどこから出たのか不思議でなりません。」

まったくそうだなあ。ぼくも同じです。
そうそう、友だちの女の子に「日本象国物語」を読んでもらった感想は、「これはシゲヨシさんの奥様へのラブレターみたいですね」というものだった。

2 Responses
E-Shibuya : 2010/02/04 – 17:26:32 –
父は伊達でいろいろな方のお世話になっていたようですが、私は父の著書の中でお名前を拝見するだけで、どなたともお会いした事がありません。
この場をお借りして、父が生前お世話になりました方々に厚く御礼申し上げます。
父の親交のあった方が父の事を覚えていて下さり、また父の著作のWebサイトをご覧くださっていることを大変嬉しく、また有り難く、感謝申し上げます。
コロポックルの石彫研究の「日本象国物語」や「象の国へおりる」の文中にコトバの研究の文が飛び込んで来る箇所が何箇所かあるのですが、唐突にこのような文が出てきても読む方には何のことかわからないだろうと思いその部分は除外していたのですが、本日追加した部分は原文通りその部分も載せてみました。
いずれ、「五十音感情の正体」などもWeb化したいと考えております。
今後ともよろしくお願いします。

tshibuya : 2010/02/06 – 12:22:38 –
E-Shibuyaさん、コメントありがとうございます。
伊達に行くと仲間3、4人で必ずシゲヨシさんのところにお邪魔したものです。最初に行ったときは茅葺きの母屋で、その後は向かって右にあった家(いまはもうないのかな)で。行けば2、3時間は話しを聞いていたように思います。
伊達の仲間はみんな元気で、大木さんはお蕎麦屋さん、佐藤さんは農業、荒井さんは洞爺湖町で木彫り、柴山さんは函館で陶芸、と、それぞれ自分の道を歩いています。
ここのところ会ってないのでひさしぶりに会いたいなあ。