山川啓介(井出隆夫)さんの作品集「リリシスト-山川啓介ソングブック-」が発売された。5枚組で厚いブックレットがついている。
山川さんとは、いずみたくさんのオールスタッフプロダクションで知り合った。会社は材木町にあって、その4階にスタッフルームというのがあって(机が四つと電気ピアノがあった)、そこで毎日譜面を書いていた。そこに突然登場したのが(少し前からいたに違いないけれど)井出隆夫さんだった。いずみさんは、その頃一手に仕事を引き受けていた山上路夫さんが忙しくなったので詞と台本を書く人を探していたんだろうと思う。
スタッフルームでは机を並べて仕事をした。限られた時間でする仕事がほとんどだから、いつもあわただしくてゆっくり話をした記憶もない。
オールスタッフプロダクションはその頃が全盛で一時は社員が100人くらいいたんじゃないかと思う。
「おかあさんといっしょ」の仕事は井出さんから話があった。井出さんは既に福田和禾子さんと子どもの歌を作っていて、また「おかあさんといっしょ」の台本も書いていた。
やがてこちらも独立してオールスタッフに行くことも少なくなり井出さんも独立したはずだ。
1995年くらいだったか、由紀さおり・安田祥子姉妹のアルバムを作ることになって、一年ちょっとかかって(なにしろ一ヶ月に1曲づつ作っていったのだから)「あの時、この歌〜オリジナル・ソング・ブック」ができた。これは忘れられない仕事になった。
仕事はひとりではできない。ずいぶん仕事をしたように思うけれど、もっといろいろやりたかった。